我々クリニック医師の役割で予防のほかに重要なことは重症疾患の前兆を見逃さないことです。

お腹のみぞおちあたりが痛む人の中にも心筋梗塞や重症膵炎といった怖い病気が潜んでいます。心筋梗塞はたいていの人は胸が痛むのですが　まれに　肩やみぞおち（心下部）、後頭部から奥歯の辺りが痛む人がいます。また　腰痛の原因が実は腹部の動脈瘤であったというようなことがあります。よくある疾患を見つけることも重要です。しかし　さらに重要なことは、稀な病気だけれども、それが命に関わるような場合、その病気を見逃してはなりません。そのためにはさまざまな領域の疾患に精通していなければならないと考えています。そして　経験と感だけでは重大疾患を見逃す可能性があるため、ある程度の緊急血液検査や緊急超音波検査をしなければならないときがあります。

生活習慣病

高血圧、糖尿病、高脂血症といった普段の生活習慣が原因と考えられる病気です。

我々は大学病院で長年、心筋梗塞、脳卒中などの重篤な患者さんをたくさん診療してまいりました。その多くの方が高額の医療費を必要とし　何らかの後遺症を残されています。このような重篤な病気で運ばれてくるう患者さんのほとんどは　何らかの生活習慣病に罹患されており、そのコントロールが不十分な方がほとんどです。

このような重篤な病気に進展しないように予防するほうが医療費としても安上がりですし　ご本人にとっても、ご家族のためにもいいことはいうまでもないことです。